2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

Fabry病

トリヘキソシルセラミド蓄積症。 αガラクトシダーゼA欠損による。 伴性劣性遺伝(スフィンゴリピドーシスで唯一) 中枢神経症状がない。 思春期以降に四肢の疼痛、皮膚症状、心血管障害、腎障害を発症する。 トリヘキソシルセラミド 三個のヘキソースを持つ…

Niemann-Pick病

スフィンゴミエリンリピドーシスともいう。 スフィンゴミエリンホスホジエステラーゼ欠損により、スフィンゴミエリンが蓄積する。

Tay-Sachs病

β-N-アセチルヘキソサミニダーゼ欠損症。 GM2蓄積症。進行性の中枢神経症状を示す。限定のチェリーレッドスポットは特徴的所見。 常染色体劣性遺伝で、脳組織にGM2ガングリオシドの著しい細胞内蓄積を認める。

ガングリオシド

シアル酸を含むスフィンゴ糖脂質の総称。大脳灰白質に多く見出される。 一般にシアル酸は糖鎖構造の末端に存在する。 ガングリオシドは細胞表面に存在して細胞表面の陰性電荷に寄与している。細胞識別、細胞基質相互作用、その他増殖因子受容体機能の修飾、…

セレブロシド

ガラクトセレブロシド(ガラクトシルセラミド)のことをいう。グルコセレブロシドを含めることがある。 スフィンゴ糖脂質である。 セラミドの第一級アルコール性ヒドロキシル基にガラクトースがβグリコシド結合したもの。 脳組織、特に白質に多い。 セレブロ…

スフィンゴミエリン

セラミドの第一級アルコール性ヒドロキシル基とコリンリン酸のリン酸ジエステル結合したもの。スフィンゴ脂質であり、かつリン脂質である。 スフィンゴミエリンとレシチンの比率は動物種によって大きく異なる。赤血球膜でヒトでは1:1の比率である。 C18ス…

ムラミン酸

3-O-D-カルボキシエチル-D-グルコサミン 細菌細胞壁に特有の物質。 N-アセチルムラミン酸 N-アセチルグルコサミンにD-乳酸が3-O-エーテル結合した構造をもつ。 UDP-N-アセチル-D-グルコサミンとホスホエノールピルビン酸が縮合したのちNADPHによる還元で生ず…

コリン

ビリノイリン、シンカリン、アマニチンなどの別名を持つ。 発見者が胆汁から単離したため、この名前がある。広く動植物に分布し、ホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、アセチルコリン、ビタミンBの構成要素となる。 動物組織は植物由来のリン脂質の…

必須脂肪酸

かつてはビタミンFとされていた。 自信の生理代謝過程に必須であるが、自分では合成出来ない分子種である。 ヒトの場合、多価不飽和脂肪酸のうち、ω-3とω-6系列の脂肪酸が該当する。 ヒト、及び動物細胞にはΔ15、Δ12-不飽和化酵素が無いため、リノール酸(1…

還元糖

アルカリ性溶液中でアルデヒドかケトンを生じ、酸化剤によりアルドン酸、アルダル酸を生じる。 全ての単糖、二糖を含む。 ケトンが還元性を示す理由は、ケトーエノール互変異性により臙脂オールを経由しアルドースに異性化するためである。

イノシトール

イノシット、ヘキサヒドロキシシクロヘキサン、シクロヘキシトール、肉糖 シクロヘキサン6価アルコールの総称。九種の異性体が存在する。 myo-イノシトールはmeso-イノシトールとも呼ばれ、遊離、リン脂質の成分、その他の誘導体として広く生物界に分布する…

エピマー

複数の不斉炭素原子の存在による立体異性体のうち、1つの不斉炭素原子についてのみ配置が異なるひと組の化合物を互いにエピマーの関係とよぶ。 もっぱら、糖質の異性体について使う。

立体配座と立体配置

立体配座:Conformation 単結合の回転や、孤立電子対を持つ幻視についての立体反転によって相互に変換可能な空間的な原子の配置をいう。 立体配置 化合物の分子に固有な立体的な配置をいう。通常の条件で変換可能なものを「立体配座」と呼んで区別する。 原…

グリカン

多糖。 単糖が10個以上脱水縮合して生じた物質。甘みはなく、フェーリング液を還元しない。

リソソーム酵素

リソソーム内に局在し、酸性領域に至適pHをもつ加水分解酵素。 小胞体膜を通過する際に、N末端のシグナルペプチドの切断とN型O型の糖鎖修飾を受ける。さらにゴルジで糖鎖の末端マンノース6位がリン酸化される。 タンパク質分解酵素:カテプシン群やエンド…

リソソーム

細胞分画法によって同定された細胞小器官。 真核細胞に普遍的に存在し、脂質二重膜よりなる単層の膜に覆われる。内部のpHは5.0程度。至適pH酸性領域の加水分解酵素を多数含む。

有糸分裂

mitosis 真核細胞の核分裂の基本的な形式で細胞周期のM期にみられる。 親核と等価な2つの娘核を形成する。対語は無糸分裂(直接核分裂)。 有糸分裂には体細胞分裂と減数分裂がある。 融資分裂時には核膜が消失し、核質は染色体に凝縮され、紡錘体によって…

JNK

MAPキナーゼファミリー分子の1つ。 c-Jun N-terminal Kinase SAPK (stress-activated protein kinase) 紫外線、熱ショック、高浸透圧、タンパク質合成阻害などのストレス、TNF-α、IL-1など炎症性サイトカインによって活性化される。 ストレス応答、細胞の生…

MAPキナーゼ

インスリン、細胞増殖因子や発がんプロモーターの刺激によって活性化されるセリン・トレオニンキナーゼとして見出された。 酵母、植物、高等動物など、真核生物に普遍的に存在する。 当初はMicrotubule-associated protein 2(MAP2)とを基質とするキナーゼ…

校正2

B-16 遺伝暗号のしくみはどうなっているのか? 学生の理解を深めるための重要ポイント 遺伝暗号の解明が進む前に、サプレッサー効果が明らかになることで遺伝暗号が隙間無く並んだ三文字を単位にしていることが予想されていた。 KeyWords コドン 開始コドン …

校正

B-2 遺伝子を見つけたのは誰か? 核酸についての簡潔な解説 核酸(Nucleic Acids) ヌクレオチドを単位としホスホジエステル結合で重合した高分子化合物。化学的にはデオキシリボ核酸(DNA)とリボ核酸(RNA)の2種類があり、細胞内には水、タンパク質に次…