メープルシロップ尿症

分枝鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)の代謝異常。
分枝鎖アミノ酸代謝において、初めの二段階は共通。すなわち、

  1. 分枝アミノ酸トランスアミナーゼによるα-ケト酸生成
  2. 分枝α-ケト酸デヒドロゲナーゼ複合体による酸化的脱炭酸

この共通経路の異常により、血漿、及び尿中で分枝鎖アミノ酸と対応するα-ケト酸濃度が上昇する。生後一週間でほ乳困難、嘔吐、嗜眠などの症状が現れる。強い脳障害により1年以内に死亡する。原因は、αケト酸デカルボキシラーゼの異常により、常染色体劣性遺伝を示す。毒性のメカニズムは不明。早期の診断は酵素及び遺伝子の解析による。治療は、低分枝鎖アミノ酸のミルクを投与すること。
(以上、ハーパー生化学)
ミトコンドリアに局在する分枝2-オキソ酸デヒドロゲナーゼ複合体の活性低下により、分枝鎖アミノ酸に由来する2-オキソ酸の酸化的脱炭酸反応が障害される。
臨床症状から古典型、間歇型、中間型、ビタミンB1反応型、に分けられる。
我が国の頻度は50万人にひとり。治療は中心静脈を用いた高カロリー輸液。腹膜透析、高官輸血、血漿交換などで、血液中のケト酸及び前駆アミノ酸を除去する。回復後は低分枝アミノ酸食の投与。