互変異性
tautomerism
原子の配列が大きく異なるが、互いに容易に相互変換して早い平衡関係にある化合物を互変異性体とよぶ。
最もふつうの互変異性は、水素が結合する位置を異にする構造をしており、ケト-エノール互変異性では、電気陰性度が大きい原子よりはむしろ炭素に水素が結合した構造が優先する方向に互変異性平衡は片寄る。すなわち、平衡はより弱い酸の方にずれている。(MB P563)
アミンはカルボニル化合物に求核付加反応をする。アミンが第一級の場合、最初の生成物は脱水して、炭素窒素二重結合を有するイミンを生成する。カルボニル化合物にα水素が存在しても同様である。
優先する生成物はエナミンではなく、イミンである。生成するエナミンは素早くより安定な意味の型に互変異性化する。プロトンは酸性なので、混成体アニオンから比較的容易に解離する。プロトンは炭素と窒素のどちらにも戻りうるが炭素に戻ってそこに留まる傾向がある。平衡はより弱い酸を生成する。