ホスホリパーゼ

グリセロリン脂質のエステル結合を加水分解する酵素群。
4つのエステル結合それぞれに、特異的な酵素が存在する。

ホスホリパーゼA1

  • EC3.1.1.32

グリセロリン脂質のグリセロール1位のエステル結合を加水分解する。
脂肪酸と2-アシルリゾリン脂質を生ずる。

ホスホリパーゼA2

  • EC3.1.1.4.

グリセロリン脂質の2位エステル結合を加水分解する。
膜脂質の再構成に重要。アラキドン酸、血小板活性化因子など,生理活性脂質産生の律速段階。

ホスホリパーゼC

  • EC3.1.1.

細胞膜上の受容体活性化に伴い、ホスファチジルイノシトール4,5-ビスリン酸を加水分解し、ジアシルグリセロールとイノシトール1,4,5-トリスリン酸を産生する。
6つの型(β、γ、δ、ε、ζ、η)で12種類のアイソザイムが存在する。

PLCβ

PLCの基本構造{PHドメイン、EFハンドドメイン(Ca2+結合)、XドメインとYドメイン(活性部位)、C2ドメイン}の他にC末端ドメインよりなり、三量体Gタンパク質と共役する。

  • β1:Gqα
  • β2、β3:Gβγで活性化される。
PLCγ

SH2ドメイン、SH3ドメインをもち、チロシンキナーゼにより活性が制御される。

PLCδ

PLCの基本構造のみよりなる。カルシウムによる調節がなされる。

PLCε

Rasの結合部位とRasのGTP交換因子ドメインをもち、Rasのエフェクターとなる。

ホスホリパーゼD

  • EC3.1.4.4.

グリセロリン脂質のホスホジエステル結合の塩基側を加水分解する。