ロイコトリエン(LT)

定義と分類

エイコサポリエン酸(アラキドン酸など)から合成される一連の生理活性物質のひとつ。
C5に酸素が結合し、3つの共役二重結合をもつ。
A〜Fの6つの型と類縁体がある。二重結合の数により3,4,5群と呼ばれる。

合成経路

リポキシゲナーゼの作用により、脂肪酸の5位に酸素が添加されて5−ヒドロペルオキシドを生じ、次いで5,6-エポキシド(LTA)となる。
エポキシド開裂に伴い二重結合が順に移動し、さらに水和によりC12に水酸基が加わったものがLTBである。
エポキシド開裂に伴いグルタチオンが転移されC6にチオエーテルを作ったものがLTC
グルタミン酸が遊離(LTD)、グリシンを遊離(LTE)再度グルタミン酸が結合してLTFとなる。

生理機能

マスト細胞、好中球、好塩基球に合成活性が見出される。
LTAは合成の中間体で生理活性は無いと考えられている。
LTBは白血球を活性化させる。
LTC、LTDはアナフィラキシーにおける遅延反応物質(SRS-A)として気管支に緩徐な持続性の収縮を起こさせ、血管の透過性を増加させ、また小腸の運動を亢進させる作用がある。

受容体

3量体Gタンパク質共役型受容体。PKCを介して情報を伝える。