リソソーム酵素欠損症における遺伝的相補性

ムコ多糖症(グリコサミノグリカンの蓄積症)はムコ多糖を分解するのに必要な複数の加水分解酵素のうちの1つが欠損することによるライソゾーム病である。
Hunter症候群はイズロン酸スルファターゼ欠損により、臨床像は軽症である。XR
Hurler症候群(α-L-イズロニダーゼ欠損)は臨床的には重症でAR
Scheie症候群はHurler症候群の軽症型(残存酵素活性をもつアレルによる)同じ遺伝子の異常で起こるが,臨床的に異なる症状を示すallelic disorderである。
リソゾーム酵素は細胞外液から取り込むことができる。Hunter症候群患者とHuler症候群患者それぞれから採取した繊維芽細胞が分泌するリソゾーム酵素がお互いの繊維芽細胞の欠損酵素を補うことで異常を是正する。それぞれの疾患で欠損する酵素が異なることを示している。