がん原遺伝子とがん抑制遺伝子

がん原遺伝子

変異遺伝子の機能変化が細胞の分裂や増殖に対して異常な刺激となる。機能獲得型変異である。

RET
多発性内分泌腺腫症2型。グリア細胞経由来神経栄養因子(GDNF)とニュールツリンの受容体チロシンキナーゼ。
RAS
膀胱がん由来細胞より見出された。補何多くの腫瘍でRASの変異が見つかっている。また既知の発がん物質の変異の標的であることが分かっている。
ABL
慢性骨髄性白血病でみられるフィラディルフィア染色体で9染色体のABLが22染色体のBCRとキメラと成る。ABLはチロシンキナーゼであり、キメラタンパクはチロシンキナーゼ活性が増大している。
Myc
Barkittリンパ腫にみられる。8染色体上のMycが14染色体の免疫グロブリン重鎖遺伝子座に転座している。
Bcl2
濾胞型B細胞リンパ腫に見られる。BCL遺伝子が18から14染色体に転座し、活性化される。BCL2遺伝子産物はB細胞に抗アポトーシス効果を持つ。

がん抑制遺伝子

両アレレの機能喪失により(Loss of Heterogeneity)悪性化に寄与する。
細胞周期の調節を行うものはゲートキーパー、DNA損傷の修復に寄与するものをケアティカーとよぶ。ケアティカーの変異はゲートキーパーやがん原遺伝子の変異の蓄積を招く。

RB1
網膜芽細胞種。細胞周期制御・
TP53
Li-Fraumeni症候群、細胞周期制御。
VHL
von Hippel-Lindau症候群。酸素の存在下で結果ン成長の誘導を抑制するAPCタンパクと相互作用。
BRCA1, BRCA2
家族性乳癌。2本鎖DNA切断の際の相同的修復に関与する。
MLH1, MLH2
遺伝性非ポリポーシス大腸がん。ミスマッチ修復に関与。