遺伝的なバリエーションや変異が病気へのなりやすさ、病気の経過に影響を与える要因、あるいは病気の原因そのものにどのような役割を果たしているかを明らかにする。どのような病気であっても、遺伝的要因と環境の相互作用の結果として引き起こされる。遺伝的な要因の果たす役割は相対的に大きいものから小さいものまで様々である。また、遺伝的な要因が発症原因の全てである疾患や、遺伝要因が発症に部分的に関与する疾患がある。以下の三種類に分類される。
染色体異常症
choromosome disorder
個々の遺伝子では無く、染色体全体、あるいはその一部に含まれる複数の遺伝子の過剰あるいは不足が原因となる。染色体異常の頻度は高く、出生するうちの0.7%程度である。妊娠初期の自然流産時では半数が染色体異常をともなう。
単一遺伝子疾患
single-gene defect
一つの遺伝子の変異により発症する疾患。変異は対を成す染色体のうち、一方のみに存在する場合もあるし、相同染色体の両方に存在する場合もある。
発症原因は、単一の遺伝子の変異によってもたらされる遺伝情報の重大な誤りである。
膿疱性線維症、鎌状赤血球症、Marfan症候群などの単一遺伝子疾患では、通常は明らかに特徴的な家系図パターンを示す。
ほとんどの単一遺伝子疾患は希なものであり、せいぜい1000人に一人くらい(多くの疾患の頻度はさらに低い)である。個々の疾患の頻度は低いが、集団全体では2%が単一遺伝子疾患に罹患する。
多数の小児を対象にした研究では、小児期に発症する重篤な単一遺伝子疾患の頻度は0.36%、入院中の小児の6-8%は単一遺伝子疾患に罹患していると推定される。