ミトコンドリア輸送

ミトコンドリアに局在するタンパク質の多くは核ゲノムに遺伝情報が有り、細胞質で合成された後にミトコンドリア外膜と内膜を通って運ばれる。
輸送にはタンパク質のシグナル配列と、ミトコンドリア膜のタンパク質転送装置が必要である。

ミトコンドリア輸送のシグナル配列

前駆体タンパク質のN末端に位置する。αヘリックスをつくりらせんの片側に正電荷の残基、反対側に疎水性残基が並ぶ両親媒性の性質をもつことが多い。

タンパク質転送装置

複数のサブユニットよりなるタンパク質複合体である。外膜を横切るTOM複合体(Translocate of the outer mitochondrial membrane)と内膜を横切るTIM複合体(Translocate of the inner mitochondrial membrane)よりなり、それぞれが前駆体タンパク質を受容する部分と輸送用のチャンネル部分をもつ。

輸送

前駆体タンパク質は、シャペロンと相互作用しほどけた状態となる。TOMの受容体により認識され、シャペロンが外れてシグナル配列からチャンネルに入る。TOM、TIMを通ってマトリックスに入り、中にあるシャペロンHSP70と結合しマトリックス内に引きずり込まれる。