カスパーゼ

caspase
ICEファミリープロテアーゼともいう。細胞死の実行と炎症反応に重要なサイトカイン(IL-1betaやIGIF: IFN-gamma0inducing factor)のプロセッシングおよび細胞増殖、移動、分化など多くの生理現象に関わる一群のシステインプロテアーゼである。
線虫の細胞死遺伝子産物(CED-3)とヒトIL-1beta変換酵素(ICE)との相同性をもとに、少なくとも14種類が知られている。

名称の由来

Cはシステインを活性中心に含むシステインプロテアーゼを意味する。aspaseは基質の切断部位にアスパラギン酸を要求することに由来する。
遺伝子の名称はCASP。発見順に番号が付いている。

特徴

酵素前駆体として合成され、自身によりあるいは他のカスパーゼによりアスパラギン酸残基のC末端側で切断され、プロシークエンスとP20、P10サブユニットが分離し、P20/P10ヘテロ二量体が(P20/P10)2ホモ2量体を形成し活性化される。

分類

基質特異性により3種類に分類される。
I群:WEHD、サイトカインのプロセッシングと細胞死に関与する(CASP1,4,5)
II群:DEVD、細胞死の実行に関与する(CASP3,7,2)
III群:LETD、LEHD、カスケード上流で細胞死のシグナルを伝える(CASP6,8,9)