apoptosis
生理的条件下で、細胞自らが引き起こす細胞の死。
形態学的な違いから、アポトーシスとネクローシスに分類された。
アポトーシスの形態上の特徴
細胞が萎縮し、細胞の内容物が細胞外に放出されることなく周囲の細胞に速やかに取り込まれて処理されるので、炎症が引き起こされず、周囲の細胞に影響を与えない。(ネクローシスでは細胞の内容物の放出による炎症反応が起こる)
生化学的な特徴
染色体DNAラダーを認めることが多い。
DNAラダー
電気泳動法で染色体DNAを観察すると、約180bpの整数倍の大きさのDNAのバンドがはしご錠に認められること。DNA断片化ともいう。正常な細胞で認められず、アポトーシスを誘導した細胞のDNAに認められることからアポトーシスの指標とされる。DNAがヌクレオソーム単位に規則的に切断された結果である。
Fas抗原
APO1, CD95
TNF/NGF受容体ファミリーに属する。分子量45000のI型細胞膜貫通タンパク質である。抗Fas抗体やFasリガンドで刺激することで細胞にアポトーシスを誘導する。
細胞外領域にシステインに富む構造が3回繰り返されている。細胞質領域はアポトーシスシグナル伝達に必須のdeath domainと呼ばれるp55TNF受容体と相同性をもつドメインが存在する。
death domainに変異を持つlprマウスは異常T細胞の蓄積と全身性の自己免疫疾患を起こす。Fas抗原は自己反応性の成熟したT細胞やB細胞のクローンがアポトーシスにより除去される際に機能している。リンパ球以外に肺、心臓、肝臓、卵巣などで強く発現している。