Thy-1抗原

AKRマウスの胸腺細胞でC3Hマウスを免疫して作った抗AKR胸腺細胞抗体はAKRマウスの胸腺細胞のみと反応するが、C3Hマウスの胸腺細胞でAKRマウスを免疫して作った抗C3H胸腺細胞抗体は広くマウスの胸腺細胞と反応する。
AKR胸腺細胞抗体と反応する抗原をThy1.1、抗C3H抗体と反応する抗原をThy1.2と呼ぶ。
Thy-1抗原は分子量28000の免疫グロブリンスーパーファミリーに属するGPIアンカー型糖タンパク質である。マウス胸腺細胞の95-98%に存在し、未熟な細胞に密度が高い。胸腺中でT細胞が分化成熟する過程で発現する。マウスT細胞を特徴付ける代表的な細胞表面抗原である。