脂肪酸合成経路

多くの組織(肝臓、腎臓、脳、肺、乳腺、脂肪組織など)に存在する。NADPH、ATP、マンガンイオン、ビオチン、炭酸イオンが必要である。アセチルCoAが直接の基質で、遊離パルミチン酸が最終産物となる。
ラットでは脂肪組織と肝臓で反応が進むが、ヒトでは脂肪組織は重要な合成の場ではない。
アセチルCoAカルボキシラーゼが主要な調節点で、クエン酸酵素を多量体化することで活性化する。アシルCoAは生成物阻害の形式で、および、トリカルボン酸輸送体を阻害することで、脂肪酸合成を阻害する。
AMPにより活性化されるプロテインキナーゼ(AMP活性化プロテインキナーゼAMPK)によりリン酸化され不活性型になる。
グルカゴンやアドレナリンにより活性は阻害されるがプロテインキナーゼAがAMPKキナーゼを活性化しAMPKをリン酸化して活性型に保つ。(アシルCoAもAMPKKを活性化する)活性型AMPKはアセチルCoAカルボキシラーゼをリン酸化し、不活性型とするため、脂肪酸合成は抑制される。
インスリンはプロテインホスファターゼを活性化することで、アセチルCoAカルボキシラーゼを活性型に変換し、脂肪酸合成を促進する。
(ハーパー生化学より)