ペプトン

強酸、塩、タンパク質分解酵素によって生じたアミノ酸とペプチドからなるタンパク質加水分解産物。細胞が容易に栄養素として利用出来るため,培養培地の主要な栄養成分として用いられてきた。

バクトトリプトン(Bacto tryptone)

Bacto Tryptoneはカゼインの膵消化物です。これはDifco Laboratoriesが細菌によるイン ドール産生に特に適したペプトンを研究中に開発したもので、炭水化物が検出レベル以下 であるという特長があります。
Bacto Tryptoneはアミノ酸またはペプチドの利用を測定する栄養試験で、カザミノ酸と共 に使用されています4,5。また、本製品は標準法マニュアルの応用例に含められているほか、 カゼイン膵消化物の仕様を満たしていることから、米国薬局方の“試薬”の項に多くの培 地成分の一つとして挙げられています2,3,6-9。また、ヨーロッパ薬局方にも多くの推奨培地 の成分としてカゼイン膵消化物が挙げられています10。さらに Bacto Tryptoneは発酵試験 にも使用でき、Escherichia coli11 のような一般的な微生物だけでなく、珪藻Nitzschia laevis12 のようなまれな微生物にも広く使われています。

Bacto Yeast Extract

自己消化したS. cerevisiae株の水溶性部分を濃縮して 作られたもので、発酵させたパン酵母を主成分としています。Yeast Extractは一般に非 動物性製品として考えられており、実際、非動物性成分として数多くの培地に用いられ ています。特に、細菌、真菌、動物、昆虫などの細胞培養に適しています。Yeast Extractは、どのような培地組成に対しても、水溶性ビタミン、アミノ酸、ペプチド、炭 水化物を提供します。
Bacto Yeast Extractは、最も完全で用途の広い発酵用バイオニュートリエントのひとつ です。Yeast Extractは、ビタミンの微生物学的アッセイの重要な成分のひとつです。ま た、抗生物質のアッセイにも重要な成分となります。Nocardia sp.のリファンピン生成 に必要な発育因子、Bファクターが、Yeast Extractから分離できます1。