外来遺伝子産物は、宿主の増殖に悪影響を及ぼすおそれがあるため、組換え体が充分に増殖するまでは発現を抑えておき、増殖が進んだ段階で発現させる(IPTGによる誘導)と良い傾向にあります。
JM109はlacIq変異のため、lacリプレッサーを過剰発現する。lacリプレッサーはlac,tacプロモーターに負の制御を行い、目的蛋白質の発現を抑えます。目的蛋白質の発現を誘導する際には、IPTGを培地に添加してlacリプレッサーの働きを抑えます。
tac プロモーターシステム
強力なtacプロモーター(E.coli 由来のtrpとlacプロモーターのハイブリッド)を用いているので、de-repressorとしてIPTGを用いると10mg/L以上のタンパク質を発現させることができます。このベクターはほとんどの一般的な大腸菌宿主に適用できます。FLAG-SHIFT™ベクターはN-末端が未知の場合に用いられます。このベクターには“シフト”配列があり、元のクローン内にリーディングフレームがなくても、3種のリーディングフレーム内すべてでインサートが発現するようになっています。