サイクリン

サイクリン依存性プロテインキナーゼと結合し、活性化させるタンパク質。細胞周期の進行に応じて周期的に存在量が変化する。
海産無脊椎動物で見つかり、真核細胞に広く存在することが明らかとなった。細胞周期制御の重要な因子である。
構造と出現パターンの違いから分類される。

サイクリンの種類と機能
サイクリン 結合するCDK 調節する時期
A CDK1(Cdc2), CDK2 G2/M, S
B CDK1(Cdc2) G2/M
C CDK3, CDK8 G0/G1
D CDK4, CDK6 G1
E CDK2 G1/S
F unknown -
G CDK5 -
H CDK7 CDKの活性化
CLN(出芽酵母 CDC28 G1/S

構造

サイクリンボックスと呼ばれる共通配列をもつ。
破壊ボックスと呼ばれる分解のための構造をもつものもある。

機能

  • サイクリンAとBはCdc2(CDK1)に結合し、M期の開始を制御する。(Mサイクリン)
  • 酵母のCLN、動物ではサイクリンEがCDK2に結合し、G1からS期への移行を制御する。(G1サイクリン)
  • サイクリンDは休止期からの細胞周期活性化に必要。
  • M期からの脱出にサイクリンBの分解が不可欠。