ケトン体

keton body
アセトンタイトも言う。アセト酢酸、3-ヒドロキシ酪酸、アセトンを総称。
糖が生体に十分供給されているとき、クエン酸回路は円滑に回転するので、アセチルCoAは速やかに代謝される。
飢餓状態(あるいは糖尿病)で糖質の供給/利用が十分でないとき、クエン酸回路の回転率は低下し、アセチルCoAは余る。余ったアセチルCoAを利用してケトン体を作る。
結果としてアセト酢酸が蓄積し、脱水素酵素により3-ヒドロキシ酪酸を生ずるか、一部は脱炭酸を受けてアセトンに転換される。
ケトン体はアセトアセチルCoAに変換され,エネルギー源となるが、かなりの部分は尿中に排泄される。
健康人のケトン体血中濃度は3mg/dl以下、一日排泄量は20mg程度であるが、重篤な糖尿病では血中濃度90mg/dl以上、一日排泄量は5000mgに達する。
ケト−シスの三徴はケトン血症、ケトン尿、アセトン臭。
ケトン体は酸であり、排泄に際してナトリウムイオンが同時に排泄され、ケトアシドーシスが併発し、患者は脱水となる。